「パールは口ほどにものをいう」
ホリエモンが成功談は読む価値がない!
と言ったり、エジソンが失敗は成功の母と言ってみたり、どうやら失敗はいいものを産む格好の資料というのは、みなさんもご存じかと思います。
私にとってはアンティークを買うことは、ジュエリーを作る私にとって、常々いい教材になっている。
このシードパールとルビーのクラスターリングは夫との新婚旅行でパリに行ったとき、マレのアンティークショップで見つけた。ショーウィンドウに飾られていて、デザインに魅かれて即購入した。
旅行のいい思い出と黙って身につけていればいいものを、それができない私。日本に帰るなりルーぺで拡大してみると、覆輪(台座のこと)とパールのサイズがあっていないことがわかった。さらにマクロレンズで撮影して限りなく拡大してみると(執念を感じさせるでしょう?)、悲しいことに接着剤でパールが留めてある。きっとパールが経年変化で削れて小さくなったからだろう。でもこれはこれでいい。パールが劣化したらこうなるんだよなというサンプルが手に入れられたし、経年の味というのも楽しめる。
そういえば、パールのお手入れには気をつけてほしい。moilもパールの作品を出していて、ありがたいことに毎日つけていたら取れちゃいましたと修理の依頼をいただくことがある。
パールは、カシミヤのセーターと同じで繊細そのもの。使った後、すぐお手入れをしないとオーロラに輝くテリがすぐ失われる。それにワレやヒビも入りやすいからヴィンテージでもしも買う機会があったら、「要チェックや!」と彦一(スラムダンク)ばりにアドバイスしたい。男性の読者諸兄におかれましては、これを覚えておいてください。キレイなパールを持っている人がいたら、あなたを面倒見てくれる期待値大です。(偏見)
大切なジュエリーは修理のされ方も重要。その価値、輝きが長く続くか、色褪せていくかは、修理する人次第なところがある。だから、もしお気に入りのジュエリーが壊れたり、パーツが取れたりしたら、買ったところ以上に修理先は「要チェックや!」(古)
※地金は18金、フランス製を示す馬の頭の刻印あり。馬の刻印は1838年から1919年までの間にしか用いられなかった刻印なので、フランスの刻印としては珍しく年代を特定できる刻印になります。
写真4枚目。
2022.06.25